公明正大であること

公明正大であることで心の受け止め方の変化により、ものの見方、考え方、そして行動のしかたが変化していきます。

公明正大であることで変わりゆく自分を実感できるようになります。

しかし、そうした段階に達するまでには、ある程度の期間が必要です。

また、そうした段階に達しても、人と接する苦しみがまったくなくなるわけではありません。

したがって、ここでは、公明正大であることで人と接するストレスを軽減する方法を述べます。

まず、いつでも公明正大に行動することは、人間関係のストレスを避けるばかりでなく、精神衛生にとっての基本的条件です。

公明正大ということは次のようなことです。

1.見栄をはらないこと

自分を低く見られるのがしゃくだからとか、負けたくないなどで、つい見栄をはってしまいます。

見栄から小細工を弄したくなることがあります。

たとえば、イヤな仕事から逃れようとして、前もってもっともらしい口実をもうけることなどです。

自分を受け入れている公明正大な人は、こうした見栄をはる必要を感じません。

2.嘘をつかないこと

嘘をつくと、それが気になって、人と会うのが苦痛になります。

また、一つ嘘をつくと、さらに嘘で糊塗しなければならない事態が引き起こされ、苦痛が大きくなっていきます。

嘘をつく意図がなくとも、その場の成り行きから、嘘をついたようなかたちになってしまうことがあります。

見栄をはったりせずに、あるがままの自分を出すことです。

そうすれば、そのときはつらくとも、公明正大で長期的にはかえって楽な立場に立つことができます。

3.その場しのぎの行動をしないこと

その場の緊張を避けたり、相手に過度に気をつかってしまったりして、ついその場しのぎのことを言ってしまうことがあります。

たとえば、「それでは、あとでこちらから連絡します」とか、「では私が代わりにやっておきます」などです。

ところが、じっさいに自分がしなければならないときになると、負担に感じてしまいます。

公明正大であれば、たとえそのときはちょっとつらくとも、それに見合う心のやすらかさが得られます。

また、公明正大なためにたとえ競争に負けても、あるいは裏切られても、勝利者のような満足感を得ることができます。