他人のために、
いろいろなことを一生懸命にやるのだけれども、なぜかうまくいかないという人はまず、自分が何を抑圧しているのかをはっきりさせるべきである。
他人に対する敵意を抑圧しているのならば、いくら他人のために一生懸命働いても、うまくいくはずがない。
自分自身本当は、ケチでエゴイストであると感じているのに、その感じ方を抑圧して、他人に寛大なふりをしても、うまくいくはずがない。
他人に対する憎悪を抑制して、善意に満ちた微笑みをふりまいても、他人との関係がうまくいくはずがない。
今までの自分の人生を振り返って、他人のために尽くしてきた、それなのに何もかもうまくいかないという人は何か大きな抑圧をして、不自然な生き方をしてきたのである。
好きな男性のために、ただひたすら尽くしてきたつもりだった、それなのに恋愛はいつもうまくいかなかったという人もいるにちがいない。
自分としては子供を可愛がってきた、子どものために自分の人生を犠牲にしてきたつもりであった、それなのになぜか子供は暴力を振るうようになってしまったという人もいるだろう。
自分は教師として、自分でも感心するくらい生徒のために熱心に教育をしてきた、それなのになぜか自分に心底ついてくる生徒は一人もいなかったという人もいるだろう。
また、自分は、近所の人にはいつもほほえみかけ挨拶を欠かしたことがなかった、
それなのになぜかもうひとつ深い付き合いにならないという人もいるだろう。
自分は部下のためにここまでしてやってるのに、なぜか部下は自分の言うことを素直に聞かない。
そんな時、「じぶんはこんなにまでしているのに」と思う。
そう思うと「悔しい」・・・つい相手を恩知らずとか、ひどい人間だとか非難したくなる。
しかし、他人を非難したところで、事態は好転するわけではない。
事態を好転させたければ、自分は何を抑圧しているかそれをはっきりさせることである。
対人恐怖症、社交不安障害を克服したい人は、いったい自分は何を抑圧しているのかを知ることが克服の一歩である。