感謝で心が通い合う

心地よい人間関係のためには、感謝の心をもって接するように努力することです。

私たちは、しばしば感謝の心でなく、要求する心で人に接しています。

そのために相手をコントロールすることになって、ぎくしゃくした関係になってしまうのです。

自分の人生の二度とない今を、共に過ごしてくれているという感謝の心。

この心を持てば、自分に関わるすべての人に感謝することができます。

この感謝する気持ちを、素直に言葉で表現するようにすることです。

夫婦関係の研究者であるジョン・ゴットマンは、夫婦が会話する様子を15分間見ただけで、今後15年以内に離婚するカップルを90%程度の精度で予測できるといいます。

そして、幸福な結婚生活を継続するには思いやりと感謝の心が大事だといいます。

良い関係の夫婦ほど、思いやりと感謝の心を頻繁に表現しているのです。

それに対し、有害なのは、非難、侮辱、自己弁護、逃避だということです。

たしかに、愛する人から侮辱されることほど、怒りと失望を生じさせるものはありません。

職場でも同じです。

相手のちょっとした好意にも「ありがとう」と言うようにすることです。

心が通じ合う感じがして、親密感が強まります。

援助しあうことをいとわない関係が強化されます。

相手の不十分さを指摘して気まずい雰囲気になったときでも、「がんばってくれたんだ。ありがとう」と、感謝の言葉を付け加えることです。

その言葉によって、相手の気持ちもあなた自身の気持ちも大きく変わり、信頼関係が揺らぐことを防いでくれます。

面と向かって言えない場合には、メールやメモという手があります。

思いがけない感謝のメールやメモを受け取ると、心にぐっとくるものです。

大きな事を成し遂げ、成功裏に人生を終えた人達は、ほとんど例外なく感謝の心の重要性を指摘しています。

感謝する心とは、人や外界を肯定的に受け止めることであり、周囲の人を批判的に見るよりも、その人の良い面を見ようとすることです。

感謝する心とは、また、周囲への豊かな感受性でもあります。

感じることがなければ、感謝できませんから。

感謝の心を持ち、感謝の言葉を素直に表現できるのは、自分に自信がある人です。

感謝には「謝る」という字が含まれているように、感謝することには「自分を相手の下に置く」という意識が伴います。

自分に自信がないと、この意識が邪魔をして、感謝の言葉が素直に出ないのです。

大きなことを成し遂げた人は、感謝の心が周囲の人や部下への思いやりとなり、その思いやりに周囲の人や部下が応えようとすることで、成功につながったのだと思われます。

感謝の心を持とうと努力することで、心穏やかになり、人を優しく見られるようになります。

人のすばらしさにいっそう感動できるようになります。

●まとめ

感謝の心で接しよう。

「ありがとう」を気軽に言おう。