あなたが家族との関係を新しいものにしようとしているなら、その人達が今も守ろうとしている秘密に一役買わないことが大切です。
アダルトチルドレンからの回復は、秘密と相容れません。
アダルトチルドレンからの回復とはあなたにとっての真実を話すことです。
「話すな」というルールを、あなたが自分で終わりにしなければなりません。
ただし、秘密を終わらせるということは、あらゆることを、あらゆる人と分かち合うという意味ではないのです。
非常に個人的な出来事というのもあり、それを誰とでも分かち合いたいとはあなたも思わないでしょう。
安全な場と安全な人を自分で選ぶことで、秘密という言葉は消え失せ、信頼による分かち合いがそれにとって代わるのです。
誰に秘密を打ち明けたいかを考えるにあたっては、「なぜ」そのことを話したいのかをよく確かめる必要があります。
人は、自分自身を助けるためでなく、他の人を傷つける目的で秘密を打ち明けることがあるのです。
「そんなひどいこと言うなら、私も言わせてもらうわ。
あなたはパパの子どもじゃないってしらなかったでしょう?」。
大きな影響力があり、誰かを傷つける可能性のある秘密を話すことが頭に浮んだときは、その動機をよく調べてみることが必要です。
相手にだって知る権利がある、と理屈をつけることもできるでしょう。
確かにそうです。
でも、それを話すのはあなたの役目でしょうか?
もっと適切な人が適切なタイミングで伝えたほうが、励ましになるということはありませんか?
なぜ打ち明けるかだけでなく、「誰と」それを分かち合うかについてもよく考える必要があります。
安全な人を選んで信頼のもとに打ち明けることで、健全で柔軟な境界をつくれるのです。
これまでは固いセメントの壁が秘密をしっかり囲って、健康な関係をつくる機会をすべて閉め出していましたが、いまでは信頼による分かち合いのカーテンがそこにあります。
●あなたが今も秘密にしていることがあるとしたら、その秘密があなたを傷つけたり、誰か他の人を傷つけるものかどうかを考えてみてください。
●それぞれの秘密について、知られたらどんなことになると怖れていますか?
どんな人になら知ってほしいと思いますか?
話すことを妨げているものは何ですか?
誰にだったら秘密を打ち明けても安全だと感じますか?
秘密を初めて口にするのは、心が大きく揺さぶられる体験です。
たぶん安堵と興奮とを同時に感じるでしょう。
語ることは、悲しみと苦痛の深い井戸に石を投げ込むようなものです。
初めて打ち明けるときには、あなたが信頼していて、話に耳を傾けてくれる相手を選んでください。
大抵の場合、その相手とは語る内容に利害関係のない人です。
友人、パートナーや配偶者、自助グループの仲間、カウンセラー、セラピスト、医師などがいいでしょう。
一番安全な人から始めてください。
どんな体験や感情でも、自分が声に出して言うのを聞くことは助けになるし、相手もそれを聞くことで、私達を支えたり、確認を与えることができます。
このような分かち合いによって、痛みはやわらぎ、重荷は軽くなり、さらに相手との親密さも増すことが多いのです。