自ら豊かな人間関係を構築する
コミュニケーション・チャンネルを変えない
いつでも自分に連絡が取れるようにしておくことは、人間関係を継続するための最低条件です。
たとえば、次のような経験はないでしょうか。
久しぶりに連絡しようと思って、メールをしたけどエラーメールが返ってきた。
今は転職が当たり前になりました。
そのため、久しぶりに連絡しようと思っても、本人にたどり着けないケースが多々あります。
たとえば、年賀状を出したら、毎年十分の一くらいは不達で戻ってきてしまいます。
電話番号やメールアドレスを知らない場合は、もう連絡のしようがありません。
その人と人間関係を持っていたと思っていたのに、とても残念な話です。
たとえ転職したとしても、人間関係はそのまま引き継ぐものです。
それなのに、退職のあいさつメールは来るけれど、そこに辞めた後の連絡先を書かない人が意外に多い。
これは、頭の悪い人間関係ですね。
住所、電話、メールアドレス、会社や所属などは、いつかは変わってしまうものです。
そのときに、つながっている縁を切らない「すぐできる」コツは二つあります。
1.変わるたびに、毎回知らせる
2.あなたの得意な「コミュニケーション・チャンネル」を変えない(いつでもあなたに会える方法を伝えておく)
1は、当然のことです。
さらに、転職するときなどは、自分が挑戦しようとしていることや方向性、また、応援してほしいこと、協力してほしいことも伝えます。
つまり、連絡すること自体が、関係強化のチャンスだと捉えるのです。
2のコミュニケーション・チャンネルというのは、連絡を取り合う手段のことです。
一般的に思いつくコミュニケーション・チャンネルは、電話やメール、手紙でしょう。
中には、メールよりもSNSのほうがつながりやすい人もいます。
最近ではツイッターでつながっている人もいます。
誰でも得意のチャンネルというものがあるはずです。
この方法ならば、あの人と連絡が取れるというチャンネルです。
大前提として、まずはそのチャンネルを変えないようにすること。
いつでも自分に連絡できるようにしておくということです。
ここに行けば必ず会えるという「行きつけの店」のような感覚です。
たとえば「毎月第一月曜日に、東京で交流会をしている」と伝えておくのもいいでしょう。
突然相談に来てくれたり、とくに用事がなくても会いに来てくれたりします。
そして、その得意のチャンネルを徹底的に極めることです。
得意なチャンネルを極めて、新しい出会いがあれば、新しい刺激が生まれるのです。
もし得意なチャンネルがないのなら、自分で作るようにしてください。
携帯が得意な人は、なるべく携帯で用事を伝える。
メールが得意な人は、なるべくメールで用事を伝える。
すべての用事を同じにすることはできませんし、内容によって使い分けるべきだとは思います。
しかし、相手に「私の得意なチャンネルはこれですよ」ということを植え付けることも大切です。
そうすれば、相手はあなたに連絡しやすくなります。
大した用事がないときに連絡するのは、少なからず面倒です。
「電話で連絡しようかな、メールにしようかな」と悩んでいるうちに、「まぁ、今度でいいか」と思うこともあります。
しかし、相手の得意なチャンネルを知っていれば、ストレスなく気軽に連絡ができるのです。
つまり、少しでも自分に連絡が取りやすいようにするコツなのです。
自分から行動しなければ人間関係は豊かにならない
あなたが特別に注目される人物でもなければ、自分から積極的に行動することもなく、勝手に人間関係が広がることはありません。
「何を当たり前のことを言うのだ!」と思う人もいるかもしれませんが、このことは意外に重要なことです。
忙しい日々を過ごしていると、目先の仕事を最優先にしてしまいます。
そのため、積極的に外に出て行くことを後回しにしてしまうのが普通の人間です。
人間関係を広げたいと思っているうちに、半年、一年が過ぎてしまったということは、よくある話です。
だからこそ、人と出会うことを習慣にする必要があります。
習慣にするのは、難しいと思うかもしれませんが、行動に落とし込んで「ルール化する」ようにすれば、誰にでもできます。
たとえば、「毎週一回は、必ず新しい人と会う」というルールを決めます。
そして、「未定」のことでもスケジュール帳に書き込んでしまいます。
そう決めたならば、どうやって新しい人と会うか自然と考えるようになります。
交流会や勉強会に参加してみようと思うでしょうし、知り合いにほかの知り合いを紹介してもらおうとも思うはずです。
まずは、自分にノルマを課して、枠組みを決めてしまえば、いつの間にか半年、一年もたってしまったということがなくなるのです。
ただ、無理なノルマを課してしまうと、すぐに諦めてしまうので、週に一回くらいがちょうどいいでしょう。
週に一回だけでも、一年間で52人と出会うことができます。
かなりの数ですよね。
何事においても、継続することが一番大切です。
「継続は力なり」ということです。
そのためにも、やるべき行動を「ルール化」して、習慣にするようにすることが大切なのです。
問題は、そのルールをどうやって守るか、継続するか、ですね。
新しい習慣を取り入れるには、はじめにある程度、強制力のある方法を使わないとなかなか実現しません。
もっとも効果的なのは、ルール化したことを仕事につなげることです。
たとえば、新しい出会いを記事やレポートにまとめる。
何かの会報に紹介してもいいでしょうし、状況が許すならば「連載する」と申し出るなどして、新しい人と出会わないといけないようにしてしまう―これが一つの方法です。
これがハードルが高いと感じたなら、単に自分へのリマインド機能を強めるのも、一つの方法です。
人に人を紹介する、自分が核となる人間関係
人間関係を広げる重要なポイントを紹介します。
そのポイントとは、「N対1対Nの法則」です。
ここで、1は自分、Nは多数の人を表しています。
どういうことかと言うと、多数の人が、自分を中心につながっているようになることが、人間関係を広げるポイントだということです。
各地からの航空路が集まり、中継地としての役割を担う空港を「ハブ空港」と言いますが、あなたがそんなハブ空港になれば、より多くの人とつながることができます。
しかし、もし地方空港のように、数箇所の空港(知人)を結ぶ定期便しかなければ、人間関係は広がりません。
つまり、自分が中心になって、その周りに人が集まるようになれば、人間関係は無限に広がっていきます。
では、どうすれば自分が中心になれるでしょうか?
何度も言っているように、定期便、継続的な交流会や勉強会の幹事になれば、「N対1対N」の1になれます。
しかし、もっと簡単な「すぐできる」コツがあります。
それは、知り合いを知り合いに紹介すること―。
いわゆるお見合いの仲人をするようなものです。
知り合いを別の知り合いに紹介することで、「N対1対N」の1になれるのです。
だから、あなたが「いいなぁ」と思う人は、他の人にどんどん紹介しましょう。
「知り合いの知り合いは、みな知り合い」ということです。
人を紹介するのは、少し面倒だと思う人もいます。
そこで、人を紹介することが習慣になるコツがあります。
「もう一度会いたい人と出会ったら、誰かを紹介する」と決めて、スケジュール帳に書き込んでおくこともその一つです。
このときに大切なのは、人を紹介した後は、必ずフォローをするということ。
「この前のAさん、どうでしたか?」という感じで、連絡するようにします。
ここでも、もう一度連絡する理由があるのです。
もしイマイチだったとしても気にする必要はありません。
出会いというのは、ピンと来ないことのほうが多いものです。
積極的な人は、一回の出会いが駄目だったからといって、「この前イマイチだったから、もういいです」ということにはなりません。
少しずつお見合いの精度を高めていけばいいのです。
この紹介するというコツは、初対面の人から「また会いたい」と思われる、とっておきの方法でもあります。
つまり、「二度目まして」「三度目まして」を増やすコツです。
そのためにも、「紹介しますよ」を口癖にすることが大切です。
じつに単純なことで、「誰かを紹介する」という理由をつけて、また会う機会を増やす、ということです。
魅力的な人は、たいてい忙しいものです。
その人から「また会いたいな」と思われるためには、何かしら、自分と会うメリットを感じてもらわなければいけません。
そのもっとも手っ取り早い方法が「人を紹介すること」なのです。
まずは「紹介しますよ」を口癖にする―そこから自分の見方が変わり、行動が変わっていくはずです。
「あの人には誰を紹介したらいいかな?」
「誰と誰を引き合わせたらおもしろいかな?」
こういう見方が生まれ、自分の中でうまくマッチングができたら、すぐにでも実際に紹介してみたくなることでしょう。
そのためにも、初対面の相手と話すときは、「この人にはどういう人を紹介したらいいだろうか?」と考えながら話すようにするといいでしょう。
話をしながら、相手がどんな人と出会うとうれしいかを探るのです。
そして、「そうだ、あの人とウマが合いそうだな」「あの人と引き合わせたら、ビジネスに発展しそうだな」と思ったら、すかさず提案する。
自分「介護の現場にご興味があるんですね。知人に介護福祉士の人がいるのですが、よろしかったらご紹介しますよ」
相手「そうなんですか、ぜひお願いします」
このような会話が増えれば増えるほど、あなたの人間関係の幅は、質、量ともにグングン広がっていくはずです。
自ら豊かな人間関係を構築するコツ
初対面の人間関係をその場限りにしないコツ
もう一度会いたい人と会うためのコツがあります。
それは、自分に宿題を課すこと―。
たとえば、人と話をしていると、次のような会話になることがよくあります。
「あれってどういうことなんでしょうね?」
「う~ん・・・。ちょっとわからないので、調べておきますよ」
「調べておきます」と言って、本当に調べているでしょうか?
お酒が入った席での会話だったりすると、つぎの日にはスッカリ忘れてしまっていることも多いと思います。
これは、非常にもったいない。
もう一度会うチャンスを自ら逃していることになってしまいます。
5分や10分もあれば調べられるようなことも多いはず。サクッと調べて、報告するようにすれば、相手から感謝されるでしょう。
その場でケータイから自分にメールを送るなど、忘れないために工夫することはいろいろあります。
「忘れないようにメールしておきます」と言って、ケータイをいじれば、相手は嫌な顔はしないと思います。
この「自分に宿題を課す」というコツは、ほかにも応用が利きます。
簡単な例で言えば、「今度会うまでに5キロ痩せます!」と宣言しておけば、5キロ痩せたときに連絡することができます。
食事に行ったとき、たいていは仕事の話をすると思います。
今どういう仕事をして、どういう問題に直面しているのかを話すと思います。
それならば、その仕事が一段落着いたとき、「あの仕事うまくいきました」と報告するという手も使えます。
電話やメールで報告するのもいいですが、できることなら会って報告したいところでしょう。
仕事の報告ならば、会ってもらいやすいのではないでしょうか?
「この前言っていた仕事の結果も出たので、報告がてら食事にでも行きませんか?」
と言えば、相手は興味が湧くと思います。
調べ物にしても同様です。
「例の件を調べていたら、面白いものを見つけました。
良かったら食事でもしながら、お話させてもらえませんか?」
というふうに応用できるのです。
このように、一回会ったなら、その会話の中で自分に宿題を課すようにする。
そうすれば、次に会う機会を得やすくなります。
次に会うための理由作りを考えながら人と会うようにすれば、人間関係はドンドン広がっていくのです。
豊かな人間関係は朝から始まる
交流会や懇親会というと、「夜」というイメージではありませんか?
ところが、それだけではないのです。
もちろん、夜に行なわれるものもたくさんありますが、朝に行なわれる「朝食会」「朝の勉強会」に参加することがおすすめです。
その理由は三つ。
- お酒が入らないので、実のある話に発展しやすい
- 時間がハッキリ決まっているので、時間効率がいい
- リピーターが決まっているので、「二度目まして」が起こりやすい
夜だとお酒がつきものです。
自分が飲まないようにはできますが、相手が飲んでしまっていたら、その努力が無意味になってしまうこともあります。
たしかに、昔から「飲みニケーション」という言葉があるように、お酒が人間関係の助けになることもあります。
ただし、それはすでに知っている仲でこそ、発揮されるお酒の効果です。
知り合ったばかりの者同士がいきなり酒を酌み交わしても、あまり得るものはない。
それよりは、お互いにクリアな頭で話をして、存在をしっかりインプットするほうが、後々の関係につながりやすいのです。
また、朝食会なら勤務時間にかぶらないことが多いので、退社時間を気にしなければならない夜の会より都合がつけやすいという利点もあります。
終わりの時間も決まっているため、ダラダラと無駄な時間を過ごすこともありません。
朝の会は、時間的にも効率がいいのです。
時間の都合がつけやすい朝食会は、リピーターが多いというのも利点の一つ。
人間関係を広げるには、「二度目まして」「三度目まして」の機会を増やすことが大切ですが、同じ会に二回行けば、間違いなく「二度目まして」が起こります。
夜の会は出席者がまちまちなので、「二度目まして」の確率がグッと低くなってしまうのです。
つまり、総じて「夜」の会よりも「朝」の会のほうが、人間関係を広げるには効果的だということです。
また、テーマを決めて朝の勉強会をすると、同じ問題意識を持った人が集まりやすいので、人間関係が広がりやすいです。
白熱した議論ができるので、濃密な時間を過ごせることは言うまでもないでしょう。
とくに夜型の人は、朝食会はノーチェックだと思います。
そこで、月に一度くらいは早起きして朝食会に参加してみれば、新たな人間関係が広がることうけあいです。
豊かな人間関係を構築する行動
ランチに誘うことのメリット
明確な理由がなくても、「二度目まして」ができる方法があります。
それは、ランチに誘うという方法です。
「え?そんなことで?」と思った人もいるでしょう。
そうです。
そんなことなのです。
とても単純ですよね。
単純ですけど、あなたは会いたい人がいた場合、ランチに誘っていますか?
ここが、人間関係を広げられるかどうかの大きな分かれ道になります。
人間関係を広げるためには、ランチに誘って、より多くの人と会うことが大切なのです。
では、なぜランチに誘うのがいいのでしょうか?
その理由は、昼休みの考え方にあります。
多くの人にとって、昼休みとは休憩の時間です。
もっと言ってしまうと、まったく意味のない時間、後回しにされる時間です。
そういう時間に、誰かから熱心に誘われたら、あなたならどうしますか?
どちらにしてもランチは食べるのですから、付き合ってもいいと思いませんか?
夜の時間に誘われるよりもハードルはグッと下がるはずです。
これなら「二度目まして」も簡単にできるのではないでしょうか。
ランチに誘う理由は、どんなことでもかまいません。
「午前中に近くで予定があるので、ランチでもどうですか?」
「ご報告したいことがあるので、ランチでも行きませんか?」
など、何か理由を作って、ランチに誘ってみることが大切です。
年配の方ならば、相談を持ち掛けてみるのもいいでしょう。
「女性の部下のマネジメントの件についてご相談したいのですが、昼休みにお時間をいただけませんか?」
年配の方は、若者から頼られることをうれしく思うものです。
だから、たいていの人は気軽に相談に乗ってくれます。
提供できるメリットを自分も用意することが理想だとは思いますが、単純に学びを得るという姿勢で行っても、多くの人が会ってくれます。
こういう気軽な相談などは、ランチのほうが会ってもらいやすいのです。
ここ一カ月であなたが会うべき人とは?
会いたい人と出会えるコツ―。
それは、ネットで検索しまくることです。
ネット検索をバカにしてはいけません。
情報を収集するためには、ネットの力は絶大です。
それは、人間関係を広げるときにも、有効に活用することができます。
どういうことか、先に結論を言ってしまいます。
ネットで検索すればするほど、あなたが興味を持った世界のキーパーソンに出会えます。
まだピンと来ていない人もいるでしょう。
順番に説明していきます。
ネットで情報を調べる場合、自分が必要としている情報やデータが出てきたら、そこで検索するのをやめてしまうと思います。
もともとネットで検索する理由は、知りたいことがあるからです。
知りたいことがわかれば、満足してしまうのが普通の人間です。
しかし、それでは普通の人間止まりです。
もう一歩先に行けば、他の人が持っていない深い情報にたどり着ける可能性があります。
だから、調べれば調べるほど、よりくわしくなるので、ほかの人と差別化することができます。
そして、くわしく調べているうちに、それに関するキーパーソンの名前がリアルに出てくるのです。
キーパーソンとは、その業界の情報を圧倒的に持っている人です。
また、ほかのキーパーソンともつながっています。
そして、キーパーソンは、つねに新しい情報を発信している人であり、積極的に動いている人、注目されている人なのです。
そういうキーパーソンの存在を知れば、その業界の構造が手に取るようにわかります。
たとえば、不動産投資のことを調べていると、必ず出てくる名前があります。
不動産投資の世界では、その人が第一人者ですから、つねに名前が出てくるのです。
そのほかにも、いろいろな人の名前が出てくるし、何となくグループがあるということもわかってきます。
つまり、不動産業界の縮図が見えてくるのです。
ここまでの話を少し整理してみましょう。
ネットで検索しまくると、次の二つのことがわかるということです。
1.情報が整理された、その業界のことがよくわかる
2.その業界のキーパーソンが見つかる
この二つをもってすれば、どういう展開になるでしょうか?
徐々に答えが見えてきました。
あなたが会いたいと思うキーパーソンと連絡することができるということです。
しかも、自分もその業界のことにくわしくなっているので、ピンポイントな会話ができます。
キーパーソンと専門的な話ができるようになっているはずです。
聞くべきことがハッキリしているので、相手も喜んでくれます。
聞いてもらいたい話を振られるほど、うれしいことはありません。
調べに調べたら、後は行動するだけ。
遅くても一カ月以内に、どうすれば、その人と接触できるか考える。
そして、その人に会ってもらえるように行動を起こすのです。
これは、ネット検索だけに言えることではありません。
どのようなものでも徹底的に調べれば、キーパーソンに出会えるようになります。
一つの業界のことを調べようと思って、いろいろな人と会っているうちに、いつも同じ名前が登場することがあります。
そういう人は、その業界のキーパーソンです。
もうその人とは会うしかないですよね。
行動さえ起こせば、必ずキーパーソンにたどり着くのです。
検索というのは、情報を得るためのものだと勝手に決めていませんか?
活用の仕方によっては、思いがけないビッグな出会いにめぐり合える可能性を秘めているのです。