子ども時代に、何が苦痛の原因なのかを理解していたかどうかは別にして、とにかく私たちは痛みを感じていました。
それがあまりに耐え難いので、私たちは苦しみをコントロールすることで身を守ろうと努力しました。
おとなになった今も、私たちは痛みをコントロールしようとします。
無力を思い知らされたかつての体験を、支配と力の感覚で埋め合わせようとあがいてきたのです。
もろい姿のままで痛みにさらされることのないよう、支配権を握って自分を守ろうとし、周囲をコントロールしようと努めてきたのです。
また、痛みを自己流に治療しようとしたり、痛みはしかたないことなんだと理屈をつけようとします。
いずれも、長い間の痛みが引き起こす反応です。
最初の反応は感情のレベルで生じます。
続いて、痛みを自己治癒するような行動面での反応が生じます。
最後に私たちは理性のレベルで反応し、痛みの原因となるような行動をとらなければ痛みは避けられると考えるのです。