ビジネスでのコミュニケーション能力とは
多くの人にとって仕事とは人生の半分を費やす大きな課題です。
仕事がうまくいく、いかないは
自尊心や収入に関係し、生活や心の豊かさに影響を与えます。
ここでは、仕事上で必要となるコミュニケーションスキルについて解説します。
ビジネスコミュニケーションはコミュニケーションはコミュニケーションでもかなり高いレベルの能力で、本気で説明しようとすると、きりがありませんが、ここでは要点のみをかいつまんで説明します。
さて、仕事においてコミュニケーション能力はどれぐらい重要な意味を持つのでしょうか。
まず就職活動において企業が求めるのは、決まってコミュニケーション能力がある人材です。
会社では、上司や同僚とのやり取り、取引先との取引等、あらゆるところでコミュニケーションが求められます。
コミュニケーション能力が低いと、交渉力、折衝力、説得力等、ビジネスで必要とされる力が欠如しているとみなされてしまいます。
さらに言えば、最悪の結果としてリストラされてしまう場合すらあるのです。
これらのことを考えればコミュニケーション能力を高めることは仕事を継続・成功させる上でも、まっさきに求められる能力だと言えるでしょう。
では、仕事で成功するためには一体どんなコミュニケーション能力が必要なのでしょうか。
それは以下の5点に集約されます。
- 人間関係を築く能力
- 聞き取りやすい話し方
- 情報を正確に伝える論理力
- 保持する情報量
- 情報を創る能力
まず、人間関係を築く力ですが、これは会社が人間によって構成されている以上、欠かせません。
会社で出世するには上司や同僚の評価が必須です。
自分自身が上司になったときにも、部下の信頼をいかに得られるかが、プロジェクトの成功の可否を左右します。
営業であれば、得意先と信頼関係を築けなければ業績を上げることができません。
このように、人間関係を築く力は仕事を成功させるための土台となる重要な能力なのです。
人間関係を築く力については、主に言葉よりも感情面が重要です。
では、聞き取りやすい話し方と、情報を正確に伝える論理力とは何を意味するのでしょうか。
これは音楽で例えると非常に分かりやすいです。
音楽にはまず「曲」があります。
そして、その曲を奏でる「楽器」があります。
それぞれを次のように例えます。
楽器=話し方
演奏=論理力
曲=情報
良い楽器であれば、曲がより一層美しく聞こえるでしょう。
楽器はコミュニケーションで言えば「話し方」にあたります。
良い話し方であれば、それだけ元となる情報を、簡潔に説得力を持たせて伝えることができます。
しかし、良い音楽を聴くには、良い楽器だけがあれば十分なのでしょうか?
当然素晴らしい演奏者が必要になります。
どんな高級な楽器でも、演奏者が下手では台無しになってしまいます。
コミュニケーションにおいても同じで、話し手は情報を正確に伝える論理力が必要になるのです。
次に、保持する情報量についてですが、これも音楽に例えてみると、知っている曲ということになります。
音楽は楽器と演奏者がいれば成り立つものではありません。
その源泉となる曲が必要になるのです。
ビジネスコミュニケーションで頻繁にある状況として、会議があります。
会議でうまく話すことができない人の原因を特定するときに以下の3点に着目します。
- メンタル面で問題はないか
- 話し方、論理力があるか
- 情報を持っているか
メンタル面については心が安定していなければ、いくら良い情報を持って、良い話し方ができても、言葉を発しようとする意欲がわかず、話に勢いがなく説得力に欠けてしまいます。
話し方と論理性、この二つがなければ感情意外の情報を相手に伝えることができません。
そして三つ目、情報を持っていなければ発言する情報がないということです。
これでは、どんなにすばらしい話し方と論理性を持っていたとしても意味がありません。
仕事で必要な情報を創る能力について解説しましょう。
情報を創る能力は音楽で言えば、ずばり名曲を作曲する能力です。
つまり、誰も持っていない、知られていない情報を自分自身で創る能力ということです。
情報は大きく分けると、既にある情報と、新しい情報の二つに分けることができます。
前者は既に世の中に知れ渡っている情報ですので、その価値は限定的です。
反対に情報を新しく創れる人は仕事で成功する可能性がぐっと高くなります。
情報を自分で新しく創れると、会社からは「代わりのいない人間」として評価されることになります。
逆に他人と同じことを言っていては、ある意味で「代わりの利く人間」として見られ、会社にとっての重要性が低くなってしまいます。
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ビジネスコミュニケーションにおける論理力の大切さ
ビジネスコミュニケーションでは、自分の持つ情報を正しく相手に伝える能力が必要です。
部下から上司への報告であったり、営業で得意先に自社製品の優れたところを説明することであったり、プレゼンテーションであったり、実にさまざまです。
これらの場合、論理力がないと自分の伝えたいことをきちんと相手に伝えることができず、双方にとって無駄な時間となってしまいます。
論理力がないということは、根拠をきちんと示せない、結論を出せないということになります。
根拠や結論がおかしいと、聞き手は相手の意図することがつかめず、何を言いたいのかが理解できません。
結果、その情報には矛盾が生じるので、話し手と聞き手の間には信頼関係が成立することはありません。
自分の持っている情報を相手に正確に伝えるには、論理的に話す能力がどうしても必要になるのです。
それでは、実際に論理力をつける練習をしていきましょう。
まずは論理の基本構造から学んでいきます。
論理と聞くと少し難しそうなイメージがありますが、構造自体は極めてシンプルです。
論理とは「思考対象に対して、根拠に基づき、結論(主張)を出すこと」と簡単に定義することができます。
思考対象とは「問題は何なのか」「相手が何を求めているのか」ということです。
まずは、それを正確に認識しなければ論理は展開できません。
思考対象があって根拠に基づき主張すれば、もう論理はできあがるのです。
例えば、
・明日は雨が降るだろうか?
→明日は雨が降るだろう。なぜなら天気予報の降水確率が80%だから。
・君は彼女が好きか?
→僕は彼女が優しいから好きだ。
・鈴木さんはどんな車に乗っているだろうか?
→鈴木さんはトヨタ自動車の社員だから、多分乗っている車もトヨタだろう。
これらの文章は思考対象と根拠と結論がありますので、論理構造ができています。
論理とは「思考対象に対して根拠に基づき主張すること」だということを押さえておきましょう。
皆さんに心掛けていただきたいことは、思考対象に対して、何かを主張したり結論を出したりする場合は、必ず根拠を示すということです。
結論や主張だけ述べても、根拠がなければ説得力がありません。
反対に、根拠だけ示して結論や主張をしないことも良くありません。
根拠だけ示しても結論を述べないと、結局何が言いたいのかが分かりません。
基本的に何かを主張したい場合は、この二つの構成要素を満たすように話をしていきましょう。
ここまでが論理構造の作り方についてです。
しかし、論理の構造を押さえただけでは論理力があるとは言えません。
論理力で大切なのは、いかに説得力のある根拠を示せるかということです。
根拠がしっかりとしていなければ、せっかく論理構造を作ったとしても、相手に情報が正しく伝わりません。
根拠をしっかりと示すためにも、結論を導くために必要となるデータが重要になるのです。
データがない状態では、どんなに口達者な人が発言しても内容が幼稚になってしまいます。
逆に、多少口下手でも、質の高いデータを持っていれば論理力のある話をすることができます。
論理的に話すのが苦手な場合、まずは自分がきちんとデータを持っているかどうかをきちんと把握しましょう。
データの集め方に関しては、以下の3点を心掛けます。
1.適合性-データは漫然と集めても意味がありません。
思考対象に正確な結論を出すために適切なデータを集めるようにしましょう。
2.網羅性-データを集める際は、同じようなものを集めるのではなく、いろいろな角度から見たデータを集めるようにします。
これはMECEと言われます(Mutually,Exclusive,Collectively,Exhaustive)。
例えば、ある政策に賛成するかどうかという思考対象があったとして、それに対する判断を下す際には、賛成派と否定派のどちらのデータも集めていきます。
3.信頼性-せっかく集めたデータでも、その情報源が信頼できるものでなければいけません。
その道の権威、正確な情報機関、信頼できる人の情報を集めるように心掛けましょう。
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文章を書くことで「論理力」を磨く
ここで少し、言語化ということについてお話しします。
言語化するとは自分の考えや、経験、知識、イメージを言葉に起こすという作業です。
何らかの主張を相手に伝えるには、身振り手振りでは限界があります。
より詳しく説明するためにも、意見を言葉に起こす必要があります。
言語化には口で話すか、文字で書くかの二通りがあります。
実際に言葉はこの二つの用途しかありません。
次に言語化しなければならない速度について考えてみます。
対人コミュニケーションにおいては自分の考えを瞬時に言語化して相手に伝えなくてはなりません。
これはある思考対象に対して考える時間が短く限られているので、極めて高度な能力が要求されます。
時間制限なしで試験問題を解くようなものです。
これに対して、文章に起こす作業は、割と時間をかけて行うことができます。
言語化する時間をゆっくりと取れるので、正解を出せる可能性がぐっと高まります。
ここで大事なのが、文章をきちんと論理的に書けない人が、対人コミュニケーションで急に論理的になるなどありえないということです。
ゆっくりと答えを出すのは苦手だけど、すばやく答えを出すことはできるなどという稀有な人はまずいません。
ですので、文章を見れば、だいたい言語化する能力が分かるのです。
つまり、言語化するための基礎力を高めるのに、まずは文章を書く訓練を積み重ねていく必要があります。
自分の考えを文章にする習慣をつけることで、言語化する力を高めていきます。
さらに言えば、思考対象に対して根拠に基づき結論を出す、論理力も高まりますので一石二鳥です。
そういった理由から、文章を書くことをお勧めしています。
具体的に、文章を書く際には以下の3点を参考にしてください。
1.文章を書くのにお勧めのテーマ
「なぜ〇〇は△△なのか」「どうすれば〇〇は△△になるか」このような題名で文章を書くと論理力を高める訓練になります。
必ず結論と根拠が必要になるからです。
内容は自分の仕事に関するものがいちばん良いでしょう。
口を酸っぱくして言いますが、結論と根拠は必ず書くようにしましょう。
「なぜ我が社の業績は伸びないのか?」
「なぜ職場の人間関係が悪いのか?」
「どうすれば職場の人間関係が良くなるのか?」
こんな風でも良いです。
文字数については、できれば380文字程度でまとめることをお勧めします。
一般的に会議の場での発言は一分間が原則と言われています。
1分を過ぎると少し長いと感じさせてしまうので、コンパクトにまとめられるように文章を書いていきましょう。
ただ、もし職種上3分間で話すことが多いという場合は、その発言量に応じた文字数で文章を書いてください。
2.継続して書くこと
考えはストックされていきます。
例えば、一日一つの主張を綴った文章を一年間書き続けたとします。
そうすれば自分の中に1年で365個の考えがつくられたことになります。
10年続ければ3650個の考えができます。
考えを瞬時にまとめ上げることは難しいですが、普段から考えの引き出しを増やしておけば、いつでも考えを引き出せるようになります。
ブログの活用
基本ツールとしてブログを推奨します。
コミュニケーションにおいては他者との関わりが重要になります。
他者が関わるブログは相手が読むことを意識するので説明力をつけることができます。
また、他者の反応があるので、やる気を持続することができるのも一つの理由です。
補助的なツールとして、裏ブログもしくは手書きの日記を用意します。
これは表ブログにはなかなか書きづらい考えを書いていきます。
例えば、会社の内部問題、上司との人間関係、家庭や恋愛の問題等を書きます。
以上の仕上げとして、文章ができたら実際にそれを会議や営業現場で話すことを想定し、少し崩しながら読んでいきます。
最初は文章を見ながら読んで、次第に文章を読まずに話せるようになったらOKです。
違和感のないぐらいにスムーズに言えるようになったら、会議の席や営業でいつでもそれを使うことができるという証拠です。
自信を持って説明・発言していきましょう。
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問題解決型思考法
情報を創る力とは、知識や経験を組み合わせ、新しい情報を創り出す能力で、より具体的に言えば、商品企画や新事業プランの作成、業務改善案の作成がこれにあたります。
さて、実際にどんな情報を作りだせば、必要とされる人材になれるのでしょうか?
それは、ずばり問題の解決策を練ることができる社員です。
会社とはある意味では社会に存在する問題を解決するために存在しています。
問題があれば自然とそれを解決するように市場が成り立ち、ビジネスが確立されていきます。
問題があるところに仕事があるのです。
それは当然、社員にも同じ意識が要求されます。
社員が直面する問題は、より細分化された小さな問題です。
それは、営業成績が伸びないという問題、社内の雰囲気が悪いという問題、社長と社員の意思疎通が悪いという問題、業務システムの非効率の問題等々、挙げればきりがありません。
このように、問題解決能力はビジネスにおいて基本となる能力と言えるのです。
ここで自分の悩みを解決するやり方として、問題解決型の思考法を使います。
問題解決型思考法は日常の悩みから、会社での問題まで実に幅広く使うことができます。
この内容を詳しく説明します。
問題解決型思考法とは以下の5つのステップで問題の解決策を練る方法です。
- 問題の認識
- 深刻性の認識
- 原因の把握
- 解決策の模索(実行可能性、問題解決可能性を考える)
- 得られるも(利益)
問題の認識
まず問題の認識についてですが、ビジネスにおいては問題を認識しないことには解決策を練ることはできません。
全ては問題の認識から解決策の模索が始まるのです。
例えば、職場で何が問題なのか分からなかったら、それは、その職場における情報不足が大きな原因として挙げられます。
問題が見つけられるようになるには、自分が取り組んでいる仕事に対する膨大な知識と経験が物を言うのです。
勤続20年の上司と新入社員を比べれば、そもそもの情報量が圧倒的に違うので問題の発見力には格段の差があるのです。
深刻性の認識
次に深刻性の認識についてですが、人間が物を考えることのできる時間は限られています。
この限られた時間の中で些細なことに時間を割いていては、非常にもったいないです。
そのため、たとえ問題を認識したとしても、その深刻性が小さい場合は、思い切ってその問題について考えることをやめてしまいましょう。
原因の把握
そしてその問題が発生している原因について考えていきます。
問題の原因を正確に把握できればできるほど、解決策は立てやすくなります。
原因が分からないときでも、少なくとも仮説は立てる必要があります。
また、原因は一つではなくさまざまな視点から考えていきましょう。
解決策の模索
原因を把握したら、解決策を練っていきます。
ここで大事なのは、その解決策には実行可能性と問題解決力があるかどうかを検討することです。
実行可能性とは実際にそれが実行できるかということです。
解決策は理想論では意味がありません。
実行ができて、なおかつ問題を解決できる力があると予測できなければ行動する意義がありません。
この2点を押さえるように解決策を練りましょう。
そして解決策は漠然としたものでなく、5W1Hにこだわり、徹底的に詳細を詰めていきましょう。
得られるもの
最後に、問題を解決することにより得られる利益を確認します。
もし利益が少ないと、その解決策を実行する意義が薄くなるかもしれないのです。
逆に、利益が大きければ大きいほど、その解決策を実行する意義が増すと言えるでしょう。
最後に強調したいことは、問題解決力を高めるには問題のある状況に自らを置かなくてはならないということです。
問題のない場所ではいつまでたっても問題解決能力は向上しません。
厳しい環境で厳しい問題を日々解決していくことで、人間の生きる力は磨かれます。
そして、その問題解決能力は仕事だけではなく、自分の生活においても大きな力となります。