のびのびと思い通りに生きていくために
「何をやっても満たされない」
「自分はダメな人間だと思う」
「嫌だと思っても断れない」
「人からどう思われるかばかり気にしてしまう」
「プレッシャーに弱い」
「リラックスするのが苦手」
「なんだか怠けているような気がして、いつも何かを一生懸命やっていないと不安」
「やってみたいことがあっても、どうせうまくいかないだろうとあきらめてしまう」
等々、いろいろな「生きづらさ」を抱えている人がいると思いますが、その根底には「自信のなさ」がある、と感じたことはありませんか?
「自信さえあれば、もっといろいろなことにチャレンジできるはず」
「自信さえあれば、些細な失敗など気にならないはず」
「自信さえあれば、人がどう思おうとふりまわされないはず」
「自信さえあれば、自分の意見をはっきり言えるはず」
つまり、「自信さえあれば、のびのびと自分の思い通りに生きられるはず」と思ったことがある人も多いと思います。
一方で「自信」という言葉から嫌みなニュアンスを感じ取る人もいるでしょう。
「自信があります」「私、できます」系のアピールは、人をうんざりさせるものです。
「自信家」というのは決してほめ言葉にはなりません。
また、「自分には自信がある」と思っていても、ある出来事をきっかけに心が折れてしまい、別人のように落ち込んでしまうこともあるでしょう。
ここでお話ししたいのは、こうしたすぐに折れてしまう「自信」ではなく、どんなときにも折れたりしない「本当の自信」についてです。
「本当の自信」とは、なんでしょうか?
これは、一般に「自尊心」「自己肯定感」などと呼ばれるものなのですが、自分という存在に対する無条件の肯定感です。
「まあ、自分はこれでよいだろう」「まあ、自分ならなんとかなるだろう」という感覚とも言えます。
普段は意識していなくても、そんな感覚が心の基盤にあると、「自分なんて・・・」と思うことがありませんから、まさに、のびのびと自分らしく暮らすことができるのです。
そして、結果的に、質の高い人生を送ることができます。
本当の自信がないと、「自分なんて・・・」という目で自分や世界を見ることになりますので、とてもストレスフルで窮屈な毎日を送ることになりますし、対人関係も歪んでしまいます。
せっかく相手が温かいメッセージを送ってくれているのに、それをまっすぐに受け取ることができなかったりするのです。
また、相手に一言伝えれば、簡単に問題が解決して、絆も深まるような場合でも、「自分なんて」と思っているためにその「一言」が言えず、結局、相手から誤解されてトラブルにつながる、ということすらあります。
治療の場では、病を持った方の「本当の自信」を養っていくのですが、もちろん「本当の自信」を感じるために、病気になって治療を受けに来る必要はありません。
「自分はダメだ」と思っていた「自信がない人」が、実は難しい環境の中でよくがんばってきたのだということに気づいて、そんな自分を愛おしく感じるようになる。
自分の仕事を「社会的な意義のない、つまらない仕事」と思っていた「自信がない人」が、「どんな仕事でも、今を大切にして、丁寧にやってみよう」と意識するだけで、充実感に満ちてくる。
「こんなつまらない人間と親しくしたい人なんていないだろう」と思っていた「自信がない人」が、相手の話をじっくり聴く習慣をつけることで、つながりを感じるようになり、「こんなつまらない私でも、案外大丈夫かも」と思えるようになってくる。
彼らが手に入れたのは、いずれも「本当の自信」です。
「自分には人に自慢できるようなものは何もないから、自信など感じられるわけがない」と思う方には、「持ち物」「できること」が何も変わらなくても、自分の「あり方」によって本当の自信を感じられるようになる、ということを知っていただきたいと思います。
何かをきっかけにポキリと折れてしまうような浅い自信ではなく何があっても「自分は大丈夫」と思いながら、しなやかに強く生きていける本当の自信を手に入れることができます。
あり方を大切に生きていこう
一般に「自信」と呼ばれるものは、やはり「成果」によって作られるもので、「成果」を上げられない環境に陥ると案外簡単に折れてしまいます。
状況次第で折れてしまうようでは、とても「本当の自信」とは呼べません。
また、「本当の自信」があると、どんな人も「今はこれでよい」と温かく肯定できるので、自分だけでなく周りの人も幸せにします。
これは、「自信家」と呼ばれる人に代表されるような、人を見下した「自信」とは正反対なものです。
人間は生きていく中でいろいろな状況にさらされるものです。
どんなことがあっても、「本当の自信」を感じ続けることができれば、どれほど充実した人生を歩むことができ、また、周りの人も豊かにすることができるでしょう。
「本当の自信」の骨格を作るのは「BEの自信」です。
これは、自分が何を大切にして生きるかという「人生の軸」に対する、そこはかとない肯定感です。
ただ、人生は行動、すなわち「DO」の連続です。
自分が大切にしている「あり方(BE)」と一致した「行動(DO)」がとれたとき、はじめて「本当の自信」を感じることができるのです。
「成果」が上がればもちろん嬉しいでしょうが、仮に上がらなくても、「自分が大切にしている『BE』の通りに振る舞えた」と思えれば満足できるでしょう。
「自分はどんな『あり方』を大切に生きていきたいか」を考えていくと、人生はシンプルになっていきます。
今まで、ずいぶんくだらないことに、余計な気を使って「自信がない!」と感じていたかに気づくかもしれません。
自信そのものに目を向けるのではなく、「自分はどんな『あり方』を大切にしていこうかな」と少しずつ考えていければ、やがてそれは「本当の自信」として定着していくでしょう。