ネガティブシンキングからポジティブシンキングへ

ポジティブシンキングとネガティブシンキングとは

ポジティブシンキングとは、物事を前向きに捉え、積極的に活動しようとする心構えを意味します。

使い古された言葉ではありますが、ポジティブシンキングを身に付けることはコミュニケーション能力を高める上でとても重要です。

ポジティブシンキングが身に付いている人は、あらゆる物事を前向きに捉えていきます。

それは人間関係についても同じことが言えます。

例えば、今あなたが初対面の人と飲み会で隣り合わせになったとしましょう。

この時もし、あなたにポジティブシンキングが身に付いていたなら、

  • この人からたくさんのことを学ぼう
  • いろいろな人と会えて嬉しいなあ
  • 新しい人と話すことでコミュニケーション能力を高めるチャンスだ!
  • 人脈を広げるチャンスだ
  • いろいろな価値に触れて、幅が広がるなあ

と考えるでしょう。

また、そういった前向きな感覚を大事にしているので、初対面の人と会話をしたくてウズウズしてくることでしょう。

その喜びは態度に表れ、周りの人にはあなたがとても楽しそうに見えてきます。

そして、楽しそうな人とは会話をしたくなるのでたくさんの人が寄ってきます。

これに対して、ネガティブシンキングに陥っている人について考えてみましょう。

ネガティブシンキングとは物事を後ろ向きに捉え、消極的に動いてしまう心の癖を意味します。

先ほどと同じように、今あなたが初対面の人と飲み会で隣り合わせになったとします。

この時もし、あなたが次のように考えてしまっていたら、ネガティブシンキングに陥っていると考えてよいかもしれません。

  • 気まずい思いをしそうでいやだなあ
  • 何を話せばいいんだろう。不安だ
  • 場の空気を乱したらいやだなあ
  • 自分がいたら場を暗くしそうだ。
  • 気を使う人だったらどうしよう・・・。

ネガティブシンキングに陥っている人は人間関係も後ろ向きに考え、逃げ腰です。

こんな心の状態で会話を楽しめるはずがありません。

会話は遠慮がちになり、早く終わらないかなあという気持ちばかりが大きくなります。

人間の心はどう取り繕うとしても、表情や体の動きに表れてしまいます。

周りから見れば、つまらなそうにしているのが分かってしまいます。

そして実際に会話がうまくできず、さらにネガティブな気持ちになってしまうという悪循環に陥ります。

また、こんな例を考えてみましょう。

仮にあなたが職場でちょっといがみ合っている同僚がいたとします。

その同僚は仕事がとてもできて、あなたをライバル視しています。

何かとあなたを目の敵にして、仕事上のことで細かいことまで批判してきます。

そんなとき、あなたはどんな気持ちになり、どんな行動をするでしょうか。

思い当たる節のある方は考えてみましょう。

誰でも職場であれば人間関係を良くしたいと思うものなので、少し嫌な気分にはなるでしょう。

しかしながら、ポジティブシンキングが身に付いている人は、負の状況であっても前向きに捉え、行動していきます。

先に挙げた例と同じように、その状況をどんどんプラスに考えていきます。

  • ライバルがいることで、負けないように頑張る気持ちを持とう
  • 一度対立した人と仲良くなる能力を身に付けるチャンスだ
  • 細かいところまで批判してくれるなんて、なんていい仲間だ
  • 仕事ができるのは事実だから、いろいろ学んで追いつこう
  • 批判に批判で返すのではなく、肯定で返す練習になる

そして、そういった状況を積極的に利用し乗り越えてきます。

コミュニケーションは試行錯誤の連続で伸びていくものです。

どんな状況もコミュニケーション能力を高めるチャンスになります。

ポジティブシンキングが身に付いている人はコミュニケーションに関するそういった性質を理解し、自分の能力を磨いていきます。

人間関係で失敗したらそれは一つの大きな経験を得ることができたと考えます。

これに対してネガティブシンキングに陥っている人は、次のように考えるかもしれません。

  • 私は仕事ができないのだなあ。弱い人間だ。
  • なんで私がこんな目にあわなくてはならないのだろうか。
  • 仕事ができるのは分かるけど細かすぎるよな。
  • 人の批判ばかりして、いつかあいつは痛い目に遭うに違いない。
  • プライベートでもあの調子だったら友達いないだろうなあ。

ネガティブシンキングを心の癖としている人は、次の行動に結びつく発想力が弱くなります。

環境や他人、さらには自分までも否定し殻に閉じこもり、環境を悪化させていきます。

次の行動への課題設定もネガティブシンキングが基になっているので発想が貧弱で、環境を変えていく力強さがありません。

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ポジティブシンキングの育み方

このように、ポジティブシンキングはコミュニケーション能力を高める上で重要な心構えなのです。

しかしながら、ここで考えなくてはならないことがあります。

それはネガティブシンキングに陥っている人が、何も好き好んでそうなっているのではないということです。

ネガティブシンキングに陥るにはそれなりの理由があるのです。

例えば、昔いじめに遭っていた、職場で完全に孤立し評価が下がったことがある、容姿を強烈に馬鹿にされた経験がある・・・不幸にもこういった経験をされている人には人間関係をポジティブに捉えてくださいと言うほうが無茶なのかもしれません。

しかし、無茶を承知でポジティブシンキングを身に付けるように進めていきます。

なぜなら、ポジティブシンキングを身に付けることでしか今の状況を解決することができないからです。

ポジティブシンキングは正のスパイラルですので、一度その癖が身に付けば、循環して成功体験を積み重ねていくことができます。

これとは逆に、ネガティブシンキングには負のスパイラルが待っています。

その負のスパイラルから抜け出すにはポジティブシンキングを身に付けるしか方法はありません。

これはいい意味で「あきらめる」しかないのです。

今この瞬間からあなたはネガティブシンキングを永遠に捨て去り、ポジティブに生きることを決心してください。

では、どうすればポジティブシンキングを獲得することができるのでしょうか?

それは、以下のようなプロセスを踏みましょう。

1.ネガティブな悩みの書き出し

まず初めに自分が苦手だなあと感じている環境、失敗して落ち込んでしまったことを書き出します。

例えば、

  • 昨夜の飲み会でうまく話すことができなかった。
  • 友達から笑顔が少ないと言われた。
  • 営業先から信頼できないと言われた。
  • 上司からもっとコミュニケーション能力を磨けと言われた。

2.ポジティブシンキングな側面の言語による書き出し

次に一つ一つの事項に対して、どんなポジティブな側面があるのかを考えます。

例えば「昨夜の飲み会でうまく話すことができなかった」に対してポジティブシンキングにしてみると、

  • うまく話せなかったことを分析して改善するきっかけになる。
  • うまく話せない人の気持ちが分かった。
  • 話し上手になるモチベーションを持つきっかけになった。
  • 今度はうまく話している人の真似をしてみよう。

などと考えます。

3.ポジティブな側面の非言語によるイメージ

次に、前述のポジティブな側面について目をつぶってイメージします。

文字に書き出すだけでは脳の一部でしかポジティブシンキングをしたことになりません。

映像化して、脳全体に刷り込んでいく必要があります。

その手順は次の3ステップを踏んでいきます。

3-1.リラックスする

まず想像する前にリラックスするように心掛けましょう。

少し眠いぐらいがちょうど良いです。

肩の力を抜いて、目をつぶって、深呼吸をしましょう。

3-2.行動している自分を想像する

次にポジティブな行動をしている自分を想像します。

失敗したことや不安に思っていることを乗り越えて、前向きに行動している自分を想像します。

3-3.成果を得ている自分を想像する

次にその成果を得ている自分を想像します。

前向きな行動をした結果、成功し、喜びに満ち溢れている自分を想像します。

例えば先ほどの例だと、まずはうまく話せなかったことを分析し、次の会話に前向きに臨んでいる自分の姿を想像します。

次にその会話で無理をせず、人と打ち解けてうまく話している自分を想像します。

ここでイメージしたことが現実的でないという感覚があるときは注意してください。

ポジティブシンキングでは自分の感覚として現実に実行可能であるという感覚が大事なのです。

イメージはイメージするだけではなく、現実化することが重要となります。

現実化が難しい場合、それはポジティブシンキングではなく妄想や能天気に過ぎません。

ポジティブシンキングはあくまで現実的な思考法ですので、自分の直感と相談しながら現実的な未来を想像していきましょう。

そして何よりも重要なのは、お伝えした以上のことを今すぐ実行することです。

サイトを読みっぱなしにして次に進むのではなく、いったんサイトを閉じて、ポジティブシンキングに挑戦してみましょう。

今この瞬間からポジティブシンキングを始めることが大事なのです。

もし、あなたがポジティブシンキングの練習を開始したなら、それはもうコミュニケーション能力を高めるためのスタート地点に立ったことになるのです。