イライラに振り回されない

もっと心穏やかに過ごしたいあなたに

つまらないことでムカついてしまう。

ついイライラしてしまう。

自分の怒りがコントロールできない。

そんなことはありませんか?

もっと心穏やかに過ごしたいのにイライラで一日が台無しになってしまう。

イライラを手放せば楽になるのはわかっているのに、手放せない。

そんな悩みはありませんか?

そして、そんな自分について、なんて小さい人間なんだろう。

どうしたらもっと寛大になれるんだろう。

そんなふうに感じて、自己嫌悪に陥ることがありませんか?

あるいは、イライラを関係ない人にぶつけてしまい、そんな自分がイヤになってしまう。

イライラが原因で友情や恋愛がダメになったことがある。

怒りっぽくて人と親しくなれない自分が寂しい。

などと思っているかもしれません。

ここに書いてきたことはすべて、「イライラにコントロールされてしまっている」という状況です。

私たちはイライラにコントロールされている

「本当はご機嫌でいたいのに、冷静でいたいのに、人にやさしくしたいのに、イライラのためにそうできない」というときには、自分の行動がイライラにコントロールされてしまっており、「イライラという感情」をコントロールできなくなっています。

イライラについての悩みを聞くと、多くの人が「感情をコントロールしたい」と言います。

やはりテーマは「コントロール」なのです。

イライラはそれ自体が不愉快なものですが、最大の問題は、その「コントロールできなさ」にあるのではないかと思います。

「つい」イライラしてしまう、イライラを「なかなか」おさめることができない、感情的になってしまいきつく言い過ぎたなど、イライラにまつわることにはコントロールできていない要素がたくさんあります。

コントロールできない怒りは、人間関係のトラブルなど、望まない結果につながってしまいがちです。

また、感情のコントロールができないと、自分の評価が下がったり、「未熟」だと思われたり、よい人間関係に恵まれなくなったりするでしょう。

こういう事態も、多くの人が避けたいと思っているのではないでしょうか。

ストレスが減り、自由になれる

イライラをうまくコントロールできるようになれば、単にストレスが減るだけではなく、人生の自由度や可能性がぐっと高まるでしょう。

イライラにふりまわされることもなく、怒っている自分を懸命に正当化することもなく、自分が本当にふるまいたいように、のびのびと暮らしていけるようになるでしょう。

仕事でも自分の力を最大限に発揮できるでしょうし、人間関係からもより多くを与えられるようになるでしょう。

イライラをコントロールできるようになれば、人生の質が全体的に高まり、幸せを感じる時間がずっと増えてくるはずです。

イライラしていないふりでは幸せになれない

「イライラをコントロールする」と聞くと、「怒りを抑える」という意味だと思う人も少なくないでしょう。

「イライラを抑える」つまり「本当はイライラしているのにイライラしていないふりをする」ということは、表面的な「イライラのコントロール」です。

確かに、イライラしていないふりをすれば、とりあえずは人間関係がよくなったり、仕事がうまくいったりするかもしれません。

しかし、イライラをコントロールすることで本来得られるはずの、のびのびとした幸福感は決して得られませんし、健康にもよくないのです。

そもそもイライラしているときには心身はリラックスすることができません。

例えば「瞬間湯沸かし器」的な激しい怒り方をしている場合には、心身はまさに「緊急事態」の状態。

血圧は上がり、呼吸数も増え、食べ物の消化などには血液がまわらなくなります。

このような状態においては、「イライラで血管が切れる」ということが現実にあり得るくらい、身体に負担がかかります。

実際に、激しくイライラしたときに何らかの健康障害をきたす人がいるということは一般にも知られていると思います。

イライラを溜め込むと・・・

怒るだけでも心身には負担となりますが、「イライラしていないフリ」をして不満を溜め込むことは、健康にとってさらにマイナスです。

内面ではイライラした状態が続くわけですし、感情の「出口」が見えないと絶望感や無力感が強まります。

実際に、うつ病など心の病になる人たちを見ていると、「イライラしていないフリ」をしている人がとても多いものです。

また、普段は「イライラしていないフリ」をしていても、何かの拍子に抑えきれなくなりイライラをぶつけてしまう、あるいは、怒りに耐えきれずに相手との関わりそのものを絶ってしまう、ということもあります。

いずれも、そのこと自体が社会生活を送る上でマイナスになるだけでなく、その結果対人関係が乏しくなると、やはりうつ病など心の病のリスクもそれだけ高まることになります。

イライラの扱い方が上手になることは、健康を守るためにもとても大切なのです。

イライラを手放す

イライラをコントロールするためには、まずイライラについてよく知るところから始める必要があります。

「もうイライラするのはやめよう」と決めるだけでうまくいく人もいるのかもしれませんが、多くの人がそうではないでしょう。

イライラも人間に備わった感情である以上、意味があるものだからです。

怒りの本当の意味がわかれば、怒りは手放しやすくなります。

イライラの意味を知り、イライラと上手に付き合えるようになると、これまでに挙げてきたような問題から解放されていくと思います。

「イライラとどう付き合うか」ということは、単なる技術的な話ではなく、「自分がどう生きるか」ということにもつながります。

イライラを上手に扱えるようになると、イライラにふりまわされなくなるだけではなく、人生にも新たな豊かさが生まれると思います。

ストレスが癒しに変わる

治療では、対人関係上のストレスや、生活に起こった大きな変化に取り組んでいくのですが、治療の過程で、それまでストレスの種だった対人関係が、むしろ病気を治す力に変わっていくということが起こります。

例えば、夫との関係に問題を抱えているうつ病患者さんの場合、治療を通じて夫との関係を改善させていくと、その関係が今度はうつ病を癒す力になるのです。

対人関係改善のとっかかりになることが多いのが、「イライラ」という感情です。

イライラしていないふりをするのではなく自分の感情によく向き合ってみること、そして、自分の感情が楽になるように対人関係を変化させていくことによって、病気が治るだけでなく人生の質が高まる方をたくさん見てきました。

心のやすらぎにつながる自助グループ

自助グループは治療法ではなく「生き方」のようなものです。

「心の平和(やすらぎ)は自分で選ぶことができる」ということを人生のあらゆる領域に適用していこうとする考え方で、いろいろな立場の方がその活動に参加しています。

イライラも心の平和を妨げる代表例ですが、イライラを持ち続けることがどれほど人の健康を蝕み、相手とのつながりを妨げ、満ち足りた幸福感を私たちから奪い去ってしまうか、そして例えば、「人間としてあり得ない行動をとる人へのイライラ」など、「正当」なイライラであっても、手放すことによってとても心の平和につながります。