へこんで落ち込んだときの対処法

生きていれば、晴れの日もあれば、どしゃぶりの日も、大雪の日もあります。

大きな失敗をして落ち込む。

がんばってもうまくいかずにへこむ。

「自分を素晴らしい」と思いたくても思えない。

生きていれば、そういう日もあるでしょう。

そんな日にも自分を取り戻して、自分を信じることのできるコツを記したいと思います。

自分を責めるのではなく省みる

「仕事が遅い」「書類にミスが多い」「取引先とトラブルを起こす」「配偶者を怒らせてしまう」「親に心配をかけてしまう」など、生きていると「自分はダメだな」と感じること、他人から否定されること、ネガティブに感じる出来事の連続だったりします。

こういうとき、それがきっかけで「否定の前提」を強化してしまわないためにも、大切なことがあります。

それは、「責める」より「省みる」こと。

身の回りで「できなかった」出来事があったときは、「なんで、できないんだ」「できない自分はダメだ」とできない自分を責めがちです。

一方、「省みる」のは、「自分がしたことを振り返り、見る」ことです。

つまり、過去の出来事を、見る。

ただ、「見る」んです。

「悪い」とか、「ダメ」とか、「最低だ」とか、そこに否定の価値観をつけません。

ただ、自分に起きた出来事をありのまま、そのままの形で振り返って、「見る」のです。

だから、ミスをしてしまったり、トラブルが起きたりと、ネガティブに感じる出来事があったら、「ミスしてしまったんだなぁ」「うまくいかなかったんだなぁ」「できなかったんだぁ」と、ただ、過去を振り返って、見る。省みる。白黒つけずに、ただ、見る。

「いい」「悪い」で判断せずに、ただ、見る。

これが意外と大事だったりするのです。

うまくいっている人のやり方を取り入れてみる

仕事や恋愛や人間関係でとても嫌なことがあって、自信を失っているとき、きっといろんな人からたくさんのアドバイスを受けることでしょう。

「そのやり方はまずいんじゃない?」

「もっと早く、効率よくできる方法があるよ」って。

でも、アドバイスのなかには、「〇〇するのが正しい」「〇〇すべきでしょ」と正しさを振りかざす人がいます。

あるいは、「あなたのためを思って」「人の迷惑を考えて」などと「世のため」「人のため」「あなたのため」を押し付けてくる人もいるでしょう。

そうした意見は、ある意味で「意見を言った人の価値観」にすぎません。

だから、「アドバイスには耳を貸さない」「アドバイスを取り入れない」という選択肢もあることを忘れないでください。

そんなアドバイスを取り入れるよりも、大事なことがあります。

それは、あなたが目標とする状態や、理想とする人に話しを聞いてみること。

そして、その人たちの「当たり前」を取り入れてみることです。

「当たり前」や「常識」「価値観」は人それぞれ違います。

「沈没船ジョーク」という話があります。

各国の国民性を表したジョークで、船が沈没する際、乗客に海に飛び込ませるときに放つ言葉の違いです。

アメリカ人には、「飛び込めばヒーローになれますよ」、イギリス人には、「紳士であれば飛び込むものです」、イタリア人には「美女が飛び込みましたよ」、そして、日本人には、「みんな、もう飛び込みましたよ」と言えばいいらしいです。

この話を人から聞いたとき、ほんと、人の「当たり前」「常識」「価値観」っていろいろだなぁと感じました。

でも、その「当たり前」や「常識」「価値観」が違うことが、生き方を変えていくのです。

もしもあなたが、イタリア人のように奔放に恋愛したいと思っているのなら、まず、イタリア人の行動をまねする。

「美女が飛び込みましたよ」と言われたら、一も二もなく海に飛び込む。

イタリア人の「当たり前」や「常識」「価値観」をまねしていけばいいのです。

理想とする人の、目標とする人の「当たり前」を、「常識」を、「価値観」を、最初は信じられなくても、とりあえず「そうなんだ」と飲み込んでみる。

うらやましいなぁと思う人の、うまくいっている人の「当たり前」「常識」「価値観」を、「うそだ」「違う」「どうせ」なんて言わずに、素直に「そうなんだ」と取り入れてみる。

そうした「素直さ」がきっと、あなたの人生を変えていくのでしょう。

これは、「できるかできないか」ではなく、やってみようと思うか思わないか、それだけの問題だったりします。

これだけはやりたくないことをする

ずっと同じことで悩んで、「人生を変えたい」と思っているのに、変わらない人の共通点があります。

それは、「人生を変えるために一番いい方法を、最初に除外している」ということ。

なぜなら「人生を変えるために一番いい方法」は、たいてい「”それだけ”はやりたくない」とか、「ありえない」と思う方法だからです。

人生を変える「解決方法」や「答え」は、最も避けてきたことのなかにあるのです。

たとえば、やり手のビジネスマンで「部下も思うように動いてくれないし、上司も理解してくれない。

これでは仕事がまわらない」と悩んでいる人がいるとします。

彼は、「その状況を変えたい」から、がんばっています。

上司に言いたいことも我慢して、部下の仕事も「自分がやったほうが早い」とばかりに、すごい量の仕事をこなして奮闘しています。

でも、なかなかうまくいかない。

状況も変わらない。

そんな彼に、たとえば、「自分がやったほうが早いかもしれませんが、部下に仕事をまかせてください。

わかってくれない上司かもしれませんが、上司に『できません』『無理です』と言ってください」とアドバイスしたとします。

すると、「部下にまかせるなんて、かえって面倒だから、それだけは絶対やりたくない。だって、自分でやったほうが早いんだから。わかってくれない上司に、『できません』『無理です』と言うなんて、ありえない。どうせわかってくれないんだから、無駄だ」

などと言います。

しかし、彼が「それだけはやりたくない」「ありえない」という方法が、一番の状況を変える方法、問題解決の方法だったりするのです。

「部下にまかせられない」「上司に意見を言えない」-そういう人こそ、「部下にまかせてみる」「上司に意見を言ってみる」ことで、状況が変わりだしたりするんです。

結果、「まかせてみたら、部下が育つようになった」かもしれないし、「まかせてみたら、失敗したけれど、部下の思ってもみない長所が見つかった」かもしれない。

「上司に意見してみたら、意外に聞いてくれた」かもしれないし、「意見しても上司は変わらなかったけれど、意見する自分の姿を見て同僚や部下ががんばってくれるようになった」かもしれない。

とにかく、「まかせられない」「意見を言えない」という、今までと同じ行動をしていたときとは、違う出来事が起きたりするのです。

結果、「状況は変わる」のです。

そして、「人生が変わる」のも、これと同じだったりするのです。

「人生を変えたい」と、似たようなことでえんえんと悩んでいる人というのは、この「ありえない」「やりたくない」ことをやる勇気のない人なんです。

自分は1ミリも動かずに「変わりたい」と願っている人なんです。

こうした人は意外と多い。

しかし、人生を変える方法は簡単なんです。

「ありえない」「それだけはやりたくない」と、今まで避けてきたことをやってみること。

すると、「ありえない」と思っていた新しい現実が現れたりするのです。

結局なんとかなると信じる

前項では、「これだけはしたくない」とやらなかったことをやることで、人生が変わる」とお話ししました。

ですが、人生が変わり、悩みが解決する一番の方法なのに、「それは・・・ないです」と断られたりします。

だから、それを無理強いするのもなんなので、もう少しやりやすい簡単な方法もご紹介しましょう。

それが「考え方を変える」「信じているものを変える」ということです。

「それだけは信じられない」「それを信じるなんてありえない」ということを信じてみる。

「頼りない自分なんて信じられない」なら、「頼りない自分で大丈夫と信じる」。
「弱い自分なんてありえない」なら、「弱い自分で大丈夫と信じる」。

「稼げない自分なんて、絶対ありえない」なら、「自分は稼げなくても大丈夫と信じる」。

まずは、信じてみる。

ただ、それだけ。

これだったら、行動するわけではないので、ノーリスクです。

なんていったって、考え方を変えるだけですから。

これだけ言っても、「頼りない自分でも大丈夫」「弱い自分でも大丈夫」「稼げない自分でも大丈夫」とはなかなか信じられない、という人もいるでしょう。

そういう人には、この言葉をお伝えしています。

「結局なんとかなる」。

信じても、信じられなくても、「結局、なんとかなる」んです。

「結局、なんとかなる」を信じてみてください。

悪口や批判から、自分の深層心理の本音を知る

心に余裕がないとき、落ち込んで、へこんで自信を失っているとき、ついつい他人の悪口を言ってしまうこと、他人を批判してしまうことってあると思います。

「あの人、偉そうよね」「あの人、地味な仕事はやらないで、いつも好きな仕事ばかりやってずるい」というように。

しかし、他人を批判しているときというのは、実は、自分の本心を告白しているのと同じなんです。

「あの人、偉そうよね」と言っている人は、「私も自分が偉いと思っているけど、恥ずかしくてそんなふうに振る舞えないから、自分が偉そうに振る舞える人がうらやましい」ということだったりします。

「あの人、いつも好きな仕事ばかりやってずるい」であれば、「本当は私も好きな仕事」ばかりやりたいけど、できないから、好きな仕事ばかりやっている人がうらやましい」ということだったりします。

つまり、悪口や批判は、「自分がやりたいのにできないことや、怖くて、恥ずかしくてできないこと(タブー)を、堂々とやっているあなたはずるい。うらやましい」と言っているに等しいのです。

普段は押さえつけているけれども、実は心のなかでいつも考えている自分の願望を、目の前でヒョイと見せられたものだから、羨ましくなって、つい本音が悪口や批判という形で出てきてしまうようなものなのです。

「偉そうに振る舞いたい。けど、振る舞ったらうまくいかない」「好きな仕事ばかりやりたい。けど、やったら認められない」って心のどこかで思っているのです。

だからそれをやっても平気な人、上手くいっている人、認められている人をみると、つい妬ましくて悪口を言ってしまうのです。

本当に自分に自信がある人は、「偉そうな人」でも「好きな仕事ばかりしている人」でも、その悪口は言いません。

だって、「まわりの人を否定しなくても、自分は自分でいい。そのままの自分がいい」と思っているからです。

自分に自信がないから、自分をそのままでいいと思えないから、誰かの悪口を言ったり、非難したりするのです。

これは、自分に自信がないときの「心のクセ」なのです。

だから、もし、あなたが、誰かを批判したり、悪口を言ってしまったりしたときは、「ああ、自分は『偉そうに振る舞うこと』を”よくないこと”と考えているんだな。でも心の底では偉そうに振る舞いたいのか」

「ああ、自分は、『好きな仕事ばかりやりたい』のか。でも、そういう行動をすると認められないって思い込んでいるんだな」と、自分自身を知るきっかけにすればいいんです。

悪口や批判は、そんなふうに、自分の心の奥深くにある考えや本音を教えてくれているのです。

だから、つい悪口を言ってしまったときは、反省したり、後悔したりするのもいいけれど、「自分の心の奥深くの本音に気づくチャンスなんだ」と捉えてもいいんじゃないかな、とも思うのです。

謙遜しないでありがとうを言おう

「謙遜」すること、「謙虚」な態度は、日本人の美徳とされているところがあります。

でも、この「謙遜」「謙虚」って、人によってはちょっと曲者です。

たとえば、営業成績のトップを競うAさんと、Bさん。

Aさんは、「成績トップですごいな」とほめられると、「いえいえ、運がいいだけです」「まだまだ未熟なので、これからもがんばります」と謙遜して答えます。

一方のBさんは、「成績トップですごいな」とほめられると、「ありがとうございます。うれしいです」「自分なりに考えて頑張りました。やっぱり僕の営業のやり方は間違ってないと確信しました」と堂々と答えます。

こういうとき、Aさんに心からの「謙遜」「謙虚」の思いがあればいいのですが、そうでない場合、Aさんは、自信たっぷりに見えるBさんのことを、「傲慢な人だ」と思ってしまいがちです。

「あいつ、謙遜しないで、自分をひけらかして」って批判する。

「自分のやり方が絶対『正しい』みたいな言い方をするのは傲慢だ」って非難する。

しかし、謙遜しながら、Bさんを批判するAさんの心の、奥の、奥の底の、一番底には、「自分のほうが素晴らしい」という気持ちがあったりするのです。

「絶対に!自分のほうが素晴らしい!」と、強く強く思っているのです。

だから、つい、Bさんの態度が気になってしまう。

「あいつの態度は問題だ」と感じてしまうのです。

でも、そんなこと公に口に出すのは、カッコ悪いし、恥ずかしいと思っているから、Bさんのやり方を陰でちらりと批判しつつ、「実は自分のほうが正しい」「実は自分のほうがすごいんだぞ」って言ったりする・・・まさに、遠吠え。

でも、ここんところは、その自分の一番底の本音に気付いているので、もう、そんな謙遜ゴッコはやめたんです。

謙虚ぶったり、かわい子ぶったりするのはやめた。

だって「自分は素晴らしい」んだから、自分が「素晴らしい」「いい」と思ったモノはもう、臆面もなく「最高!」と言い切ることにしたのです。

もちろん、世の中にはいろんな考え方があって、いろんなやり方があって、僕の考え方・やり方だけが素晴らしいんじゃない。

でも、きっとそれぞれ自分が素晴らしいと思っているから、それはそれで一人ひとりが伝えていいんだと思う。

だから、みんなが「自分が最高!」って、堂々と叫べばいいと思うんです。

陰でこそこそと、嫉妬や非難、陰口に時間を使っている暇があるんだったら、謙虚ぶらないで、かわい子ぶりっこしないで、さっさと告白すればいいんです。
「自分は、最高なんだ!」と。

すっきりします。

気持ちがいいです。

世界が変わります。

もう、そんな小さなお山の大将なんかやってないで、こそこそ自慢してないで、降りてきて一緒にもっと高いところに行こうじゃないか。

他人からどう思われようと、自分の道を行く

折れない自信って、ありのままの自分を素晴らしい、ダメな自分でも、それでも自分には価値があると信じることです。

世間の人がなんと言おうと、自分がやっていることの価値は自分だけが知っていればいいのです。

それをやってのけた代表格といえるのが坂本龍馬です。

坂本龍馬は、幕末の乱世のなかで、身分の高い人物でもなく、確たる組織にも属さないのに、つまり、『付け足しの自信』もないのに、薩長同盟や日本初の株式会社をつくるなど、大きいことや独創的なことができたのは、折れない自信があったからです。

他人がどう言おうと、自分がいいと思ったことをする。

他人からどう思われようと、自分がいいと思えばいい。

自分を信じて、自分の道を進むときは、もうダメだと思うときでも、失敗したときでも、反対されたときでも、それでも「なんとかなる」と信じる。

他人がどう思おうと、他人から「ダメだ」と言われようと、「自分がいい」と思う道を行く。

坂本龍馬であれ、誰であれ、歴史に名を残す人や、世の中で大活躍する人は、そう信じて自分の道を進む人なのでしょう。

でも、一方で、自分を信じて、自分の道を進むということは、他人を信じて、他人の用意した道を進むより、大叩きを受けたり、大恥をかいたりすることも多くなるということです。

だから、それらを引き受ける「覚悟」することでもあるんです。

失敗して、恥をかく覚悟。

他人から批判されたり、非難されたりする覚悟。

嫌われたり、否定されたりする覚悟。

そういう「覚悟」があって、「それでも自分は素晴らしい」と信じるのです。

それができない人、自信がない人は、恥をかくことや批判・非難を受けることが怖いから、実力の範囲のなかの舞台で失敗しないようにしている。

失敗すると、自分の価値がなくなってしまうから、どや顔していられるように、まわりから叩かれないように、小さく収まって、嫉妬したり、陰で批判したりする。

そう、自信とは、「うまくいく」と信じることではなく、「うまくいかなくても、自分の価値は変わらない」「何とかなる」と信じることなのです。

まとめ

〇あなたの目標とする状態、理想に近い人に話を聞いてみる。その人たちの「当たり前」や「常識」を取り入れてみる。

〇あなたの人生を変える「答え」は、「ありえない」「それだけはやりたくない」と、これまで避けてきたことのなかにあったりする。

〇うまくいかなくても、「やっぱり、なんとかなる」と信じる。

〇陰口をたたくよりも、堂々と「自分が最高!」と言ってみる。

〇覚悟をもって自分の道を進むためには、失敗したとしても、他人がどう言おうとも、それでも「自分は大丈夫」と信じることが大事。