現代はコミュニケーション社会といってもおかしくありません。
また対面、電話、メール、インターネット、携帯電話、チャット、SNSなど、その人間関係を作るツールも多様化されてきています。
それらのツールをうまく使いこなすのか距離を置いて付き合うのかなど使用方法も様々です。
しかし、そのようなツールが盛んになっても人間関係は避けて通れません。
家族、パートナー、同僚、上司、部下、クラスメイト、近所の人、友達、姑など付き合う人もそれぞれです。
そんな複雑な人間関係を築くのが苦手な人もいます。
ここではそんな人間関係が苦手な人の心理と楽になる方法を伝えられたらと思います。
人間関係が苦手な人とは
例えば、昼休み、複数人が輪になって談笑している。
自分もその中にいるが、話しだすと赤面してしまって、それが変に思われるのではないかと思い、談笑を楽しめない。
また、会社の会議などで話し出すと吃音が気になり、ヘンなふうに思われるんじゃないか、場がしらけるんじゃないかと思い、積極的に発言できない。
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人間関係が苦手な原因
遺伝の関係
人の脳の神経細胞には二つの遺伝子があります。
一つは、不安遺伝子s。もう一つは安心遺伝子l。そして人はこの二つの遺伝子の組み合わせで心の土台が決定します。
一つ目はssタイプという最も不安になりやすいタイプ。これは日本人の約7割が所有している遺伝子で、人間関係が苦手な人のほとんどの人が所有していると考えられます。
二つ目はslタイプというバランスのとれたタイプ。これは日本人の約2割が所有しているということです。
三つ目はllタイプという安心が心の土台となったタイプ。陽気で楽天的。逆に言うと、鈍感で無神経ということも言えます。ちなみにこのタイプの遺伝子はアフリカ人の7割の人が持っているとされています。
では、なぜ日本とアフリカでは心の土台の開きがあるのでしょうか。
それは人類の起源にヒントがありました。
人類の起源はアフリカにあり、そこから各地に人類が移動していったとされています。
その移動の最中に、疫病や飢え、自然災害や動物に襲われる、船の難破など、数々の危険な目にあってきました。
そこで人類が手にしたのが不安になるという自分を守る術でした。
日本はその人類の移動の一番遠いところにあったので、多くの危険な目に遭った分、不安要因が多くなったと言えます。
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愛着との関係
愛着とは幼い頃に親から受け取る愛情、別の言い方をすれば心の安心のことです。
幼いころ、親から豊富な愛情を受け取り、安心感がしっかりとした土台になっている愛着を安定型愛着スタイルといいます。
しかし、幼い頃、親から引き離されたり、親から愛情を受け取れず、安心を育むことができなかった場合、心の土台が不安定になりやすく、大人になってからも人間関係も苦手になりやすくなります。
人間関係が苦手な人の愛着パターンは恐れ、回避型愛着スタイルの人が大多数を占めます。
アダルトチルドレンとの関係
親がアルコール依存症やうつ病、過保護、過干渉だったりして、育てられると、大人になっても心が不安定になりやすくなります。
家で~すべきという思想が強すぎるほど人間関係に支障をきたします。
例えば、ご飯を残すことはもってのほか!出されたものはきちんと食べなければならないという決まりがあり、体調が優れない時でも、ご飯を残して怒られる、あるいは無理やり食べさせられるということがあったとします。
そしてそのまま大人になると、人と外食などするとき、残さず食べなければならない。と思うほど、食欲が無くなってしまうようなことがあります。
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人間関係が苦手についてあれこれ考えてみる
少し無口のほうが、味があっていいじゃないか
うわべだけ取り繕って、べらべら浅く喋り倒す人より、思慮深い無口な人くらいの方が味があっていいんじゃないか。と視点もありなんじゃないかと思います。
長所を磨ける、個性的に生きる人生もありなのではないか
人間関係は少し苦手程度で泳がせておいて、自分の個性を磨ける仕事、生き方をすることもありなのではないかと思います。
人間関係が苦手な人の中には人が好きな人もいるのではないか
逆に言えば、人が好きなゆえ、嫌われたくない気持ちがあり過ぎて、人付き合いが苦手になっているケースも多いのではないか。
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心理的距離を離す
人間関係で一番緊張する相手は、いつも一緒にいる家族でもなく、駅ですれ違うだけの初対面の人でもなく、会社の上司、部下、同僚や学校のクラスメイトといった半見知りの人である。
そういった人達との上手な付き合い方は心理的距離を初対面の人と会うように、遠ざけることです。
結婚したばかりはよく話した夫婦も年を取れば、あまり話さなくなるものです。
これが心理的距離をお互いに負担が無いくらいちょうどいい距離感に保っているのに役が立ちます。
すなわち、少し孤独なくらいがちょうどいいのです。
ちなみに、女性の方が心理的距離が少しだけ近い方が安心するみたいです。
人間関係は腹6分目です。
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挨拶だけは緊張して暗くて震えてでもしておこう
職場であまり話さない人でも、どこから来たんですか?など余計なことは聞かず、挨拶だけは自分から、緊張して暗くて震えてでもしておきましょう。
挨拶されて、嫌な気持ちになる人はいません。
これができたら、次は、相手を呼ぶとき、「すいません」ではなく「〇〇さん、すみません」と言ってみましょう。
これも嫌がる人はいないと思います。
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人間関係が苦手を克服する
人間関係が苦手な人は、人と接するにあたり、背伸びした自分で接しようとするから疲れてしまいます。
背伸びせず、等身大のありのままの自分で人と接することが重要です。
それには、自分の弱さや恥ずかしい部分を人前でさらけ出し自分で認める必要があります。
また、行動はその背景にある動機をいっそう強化する、と心理学にあります。
たとえば、赤面恐怖症の人が顔を髪で隠すような行動をすると一層恐怖が強くなります。
これを安全保障行動という。
人前で文字を書くとき震えてしまう人がもう片方の手で書く方の手を押さえることもそれである。
なので赤面恐怖症の人が、果敢勇敢に人前に立つ時、髪で顔を隠すような行動をしてしまっては、恐怖は増して、逆効果である。
バイクのエンジンが故障して走らなくなったら、タイヤを交換したら直るか?車体をワックスで磨いたら奇跡が起きて直るか?やはり、エンジンを直す他、道はない。
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会社の会議での赤面恐怖症の人の克服事例
Aさんは昔から、人前でのパフォーマンス場面で赤面症でした。
そして、中学3年生のとき、国語の時間の朗読中にクラスメイトから、赤面を指摘されたのをきっかけに、赤面することはとても恥ずかしいことなんだと、赤面恐怖症になってしまいました。
そして、時は経ち、Aさんが入社3年目にして会社全体の会議での結果報告の発表20分程をしなければなりませんでした。
これまでは、他の用事や仮病などを使い発表を後回しにしてきましたが、ここでとうとう、どうしても発表しなければならない場面に追いやられました。
この発表が決まった瞬間、Aさんは背筋を凍らせました。
そして発表までの2週間生きた心地がしませんでした。
発表前夜は明日のことが気になってほとんど寝付けませんでした。
そして、発表当日、Aさんは壇上に上がりました。役員含め、200人ほどがホールを貸し切っての発表でした。
そしてAさんの発表が始まりました。
最初の一声から、Aさんの顔は真っ赤になりました。
そして、過呼吸になりました。周りはシンとしてこちらを見ています。
3分程でなんとか体制を立て直し、しどろもどろながらスクリーンに映した資料をもとに発表を進めました。
再度話初めて、また3分程たったら呼吸が苦しくなり、顔面も真っ赤っかになりました。
そしてまた、軽い過呼吸になりました。
今度は1分程で態勢を立て直し、発表を再度話始めました。
今度は赤面をし、発表もしどろもどろながら行い、最後までたどり着きました。
Aさんはこの時、少し解放されたような楽になった感じがしました。
そして、半年後、またAさんに全体会議での発表の機会が回ってきました。
Aさんはまた逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。
そして、前と同じように、発表前日は緊張でほとんど寝付けず、発表の時が回ってきました。
資料をみながら一声めで顔が真っ赤っかになり、過呼吸に陥りました。
そして、今度は一分ほどで過呼吸はおさまり、発表を再開しましたが、赤面したままのしどろもどろの発表でした。
発表が終わると、Aさんはまた解放された楽になったような気持ちになりました。
また半年後に発表の時が回ってきました。
今回も逃げ出したい気持ちはあったのですが、それほど強いものではなくなっていました。
発表前日は、意識してしまいましたが、少しは眠ることができました。
そして、3度目の発表の時、一声と同時に赤面してしどろもどろの発表でしたが、過呼吸はおきませんでした。
最後のほうは、赤面から解放されていました。
この発表が終わったとき、Aさんはまたすごく解放されて楽になったのを感じました。
この次の発表のときは、前日もよく眠れ、本番も赤面したもののリラックスして発表することができました。
こうしてAさんは自信を取り戻していきました。
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一緒にいて楽な人、癒される人となるべく長く付き合うようにする
人間関係が苦手な人は一緒にいて楽な人、癒される人となるべく長く付き合うとその克服に効果的です。
一緒にいて楽な人、癒される人を安全基地というのですが、何々しなければならないという決めつけがなく、リラックスすることができ、この人と一緒なら「声が震えてもいいんだ。」と思えるようになります。
その人が自分の幼かった頃にできた愛着の傷を修復してくれます。
時には、その無神経さに拍子抜けしてしまうほどの人がちょうどいいでしょう。